事務所通信
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セカンドオピニオンについて考える その8 [セカンドオピニオンにについて考える]

2012-11-01

尤も、税理士というか税理士会そのものにも反省すべき点は多々あります。
というのは、そもそも税理士は税という名がつく以上、税のことはすべて知っているか、
というとそうでもありません。

 例えば不動産取得税や固定資産税は賦課決定といい、県や市町村が税額を決定
してしまいますから、基本的に税理士の出番はありません。
 税理士は、税理士法第1条に規定しているように、民の立場から申告納税制度を
支えるポジションにあるのでして、官公庁が税額を決定する賦課決定の世界では、
税理士が必要とされる局面はあまりありません。

 つまり、税理士、そしてその集合体である税理士会が、どういう仕事をどこまで
やってくれるのか、一般の方々に十分知られていないことが問題なのです。

 私はよく税理士を医師になぞらえますが、その方が分かり易いと思うからです。
税理士は医師であれば開業医に属すると思うのですが、開業医であれば内科、外科、
耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科など自分の専門分野を看板、広告などに掲げていますね。
そして患者さんは、自分の病状からしてこれと思う医院に行き、病気を診てもらうわけ
です。

 しかし税理士は、自分が専門とする仕事の範囲を明確にしていませんから、相談者
から見れば、税と名がつくのだから税のことは何でも知っているだろう、と考え国民
健康保険税の相談に行くこともあるでしょう。
 また申告納税の分野ですから、本来の受け持ち業務である相続税の相談に行った
ら、その先生は相続税が得意ではないから出来ないと言われたケ?スとか。

 このように税理士自身が自分の受け持ち分野、専門分野を明確にしていないことが、
お客様から見て非常に不親切に映るのです。
 サ?ビス業であるにもかかわらず、業務の範囲が分かりにくいのが税理士業界の
最大の難点です。