事務所通信
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勤務税理士時代を回顧する その8 [勤務税理士時代の回顧]

2008-07-28

 ともかく法人税法は、税法の中でのボリュ?ムは何といってもダントツで一番ですし、また通達も大分読みこなさなくてはならないので、税理士試験の中でも最も難解な科目であることは、論を待たないところでしょう。
 ただそれでも好きな科目であると、不思議に頭にすっと入っていくものでして、理論問題の暗記はさほど苦にはなりませんでした。
 一方I税理士事務所での勤務生活にもすっかり慣れ、また法人税法を勉強していると、今まで見よう見まねでやってきた税務処理が、理論面からサポ?トされ、飛躍的に実務処理がアップしました。  
 ちなみにI先生は、税理士試験を勉強している職員を積極的に採用されていましたが、その理由としては、受験生から税法改正の情報がタイムリ?に入ること、そして受験生は受験での知識が実務にフィードバックされるため、実務能力の伸びが概して早いこと、最後に受験生がいることによって、お互いが切磋琢磨するので、事務所全体が活性化されること、を挙げていました。
 そのI先生の考え方を私も踏襲し、実務経験はあっても税理士試験を目指す気のない人よりも、たとえ実務経験はなくとも、税理士試験合格を目指しガツガツ勉強している人を進んで雇用する、求人に対する考え方を現在も続けております。
 それはともあれ、この時期、入所して3?4年目のこの頃が、自分にとっては一番充実していた時期でした。仕事も勉強も面白くなっていたまさに伸び盛りの時期でしたから。
 そして幸いにも「法人税法」の試験にも一発でパスし、その勢いをかって、次の年は「所得税法」の試験にチャレンジしました。
 正直言って「所得税法」は「法人税法」の比べると、かなりいい加減な税法で、勉強していて、矛盾を感じる点が多々ありましたが、講師のH先生の教え方、知識ともに申し分なく、H先生についていくことだけを考えて、勉強に励みました。
 そして「所得税法」も無事合格し、気がつけば税理士試験合格までリ?チまでこぎつけました。
 I税理士事務所に入所したのが昭和55年5月、所得税法に合格したのが昭和59年12月、入所してから4年半が経っていました。
 思えば1年目にあまりにも仕事ができず、また先輩に反抗して人間関係でも失敗し、辞めようと思ってI先生に相談し、一喝されたことがありました。
 あの時は自分の心もズタズタでしたが、その時に気持ちを入れ替えて本当に良かった。
初心に帰り謙虚さを取り戻してから、自分で言うのもおこがましいのですが、メキメキ伸びることができた。これもI先生の厳しくも温かい言葉、そしてT先輩、先輩の的確な教えがあったからこそと心から感謝の気持ちが沸沸と湧いてきました。