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セカンドオピニオンについて考える その11 [セカンドオピニオンにについて考える]

2012-11-05

 これらの複雑化する難解事案に対して、税理士は相変わらず小規模事務所を中心
とした家内工業制で立ち向かおうとしているのですから、とても適切な対応ができると
は思えません。

 問題は税理士業界が水平的構造になっていることにあると思います。

医療の場合、患者の最前線にいてまず患者を診察する立場にある開業医。そして開業医
がその疑われる病気からして、また自分の診療所の施設からして十分な検査が行えない
など、自分の所では十分に対応できないと判断した場合には、系列の或いは提携している
総合病院に紹介状を書き、そちらで再診察、再検査を受けるよう指示します。

 このように医療体制は、患者の病状、病気の種類に応じて、対応する医療機関も町医者、
地元の総合病院、大学病院というように階層に分かれていて、より高度な検査及び治療を
うけることが出来るようになっています。

 一方税理士会はどうでしょうか。みな税の専門家であるという看板を出し、個人事業主で
ある税理士がその能力を競っています。

 これでは相談者から見て、どの税理士が優れているか、自分の相談内容に一番応えて
くれる税理士はいったい誰なのか迷ってしまうのも無理はありません。

 ですから私は、税理士自身もっと水平的構造を改め、専門性を打ち出す税理士、最前線
で町医者を標榜する税理士、税務、会計の最先端事案を研究し、より高度かつ複雑な事
案を扱う事務所など、自分の受け持ち分野、得意分野をもっと明確にアピ?ルする事務所
が増えてきて欲しいと思っています。