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セカンドオピニオンについて考える その16 [セカンドオピニオンにについて考える]

2012-11-10

 複雑かつ難解な事案で、複数の専門家の意見を聞く制度として、セカンドオピニオン
は今後広まっていくと思いますが、
 私はワンストップサ?ビス化を目指したい。

 ワンストップサ?ビスとは、一箇所で相談事のすべてが足りる、解決できるという
ことです。
 商業で言えば、大型ス?パ?、パワ?センタ?の存在がそれに当たるでしょう。
とにかくあそこへ行けば、とりあえず必要なものは全て揃う、なおかつ家族で行っても
一日中飽きずに過ごせる、ということで、駅前立地の商店街が衰退し、代わりに交通の
便は多少悪くても、車で行ける郊外型大型商業施設の林立が物語っています。

 世の中はより便利なもの、つまりコンビニエンスを追及する方向に向かっています。
そして世の中に便利なものが溢れれば溢れるほど、人間は怠惰になっていきます。
面倒くさいから一箇所で用事を済ませたい、
 
 と同時に今や森永卓郎氏の主張される「年収300万円の時代」ですから、男女ともに
時間がない。
夫婦共稼ぎで働かなければならない時代ですから、余暇の時間がとれない。

 こうしたことから、よりサ?ビスについて「ワンストップサ?ビス化」を進めていくべき
ものと私は考えています。

 では税理士事務所における「ワンストップサ?ビス化」を実現するにはどうしたらよいか
を考えますと、私は他士業との連携、そして税理士同士は専門型税理士との連携である
程度解決できるのではないか、と思っています。

 弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、司法書士、測量士、土地家屋調査士、社会保険
労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナ?(FP)、そして銀行の融資窓口、不動産
業者、生命保険会社営業マンなど、各分野で専門的知識を有する士業の方々を社外
ブレ?ンとして位置づけ、案件によってどの専門家から意見を聞き、お手伝いしていくか
を設計していく、そして相談案件に対する解決策をまとめ上げていく、

 いわばプロデュ?サ?としての能力が、今後はより税理士に求められていくのではない
か、と考えています。

 勿論税務、会計の分野では、より高度な専門的知識を持つ税理士、公認会計士との
連携が不可欠です。

 社外ブレ?ンとは言えこうした方々と綿密に連携し、各方面からの知識をお借りすること
によって、総合問題である、お客様からの各種相談にも対応できるのではないかと思いま
す。
 
 セカンドオピニオンの問題は、複雑難解な事案であっても、自分だけで抱え込む癖が
ある税理士にも問題がある、そしてそれをネタに自分の商売に結び付けようといる税理士
にも問題があると思います。

 要はお客様からの要望に殆ど応えうる「ワンストップサ?ビス化」が実現できれば、
セカンドオピニオンはあまり必要でなくなるのではないか、と思います。
 逆に「ワンストップサ?ビス」が実現できない税理士は、自分で解決できないと思われる
複雑難解事案は早々に他の税理士にお任せする勇気が必要だと思います。