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セカンドオピニオンについて考える その3 [セカンドオピニオンにについて考える]

2012-10-25

 税務調査の際にも一番のポイントは、事実認識です。

 税務署と納税者との間で、事実認識において差があり、その結果同じようなケ?スでも
税務署から否認されたり、されなかったり、結果において正反対となる場合もあります。

 ある程度類型化して傾向を探ることは出来ますが、具体的な事案ではその前提となる
事実が少しずつ異なっているため、前回の似たようなケ?スと全く同一の結論が出るとは
限りません。

 この辺の微妙なニュアンスの違いが、納税者にとってはなかなか理解がしてもらえない
部分で、税務署と税理士の駆け引きによるのではないか、或いは税理士の腕が悪いので
はないか、と勘繰られる点でもあるのです。

 おそらく病気の治療も同様だと思います。同じ風邪であっても、年齢、性別、患者の体
力、患者の体質、アレルギ?の有無等によって、同じ薬を投与しても治り方が違うでしょう。
 ですから医療でも、税務でもこういう治療、こういう対応をすれば100%OKというのは、
典型的なケ?スを除いては、なかなか言いにくいのではないかと思います。
 
 従って安易に自分に任せれば大丈夫とか、お悩み解決します、とか断定的に表現される
方は、逆に私はハラハラして見ています。

 税理士も医師も、それぞれの局面において最善を尽くすことはできても、100%完璧な
結果を求められても、それは極端に言えばやってみなければ分からない、と答えるべき
ではないか、と思います。

 事実、医師は手術前において、患者及びご家族に対して事前説明を行い、どんなに安全
であると思われる手術であっても、リスク説明を行いますよね。
 その上で、患者本人又はご家族の承諾を頂いて初めて手術に向かうわけです。

 我々税理士も実際にお客様からの各種相談を受けた際には、断定的に回答せず、前提
事実を確認した上で、或いは前提事実があやふやな場合には、一応想定した前提事実に
基づいた場合と前置きをした上で、適切な回答をしているはずです。