事務所通信
税務情報だけでなく、他士業の先生方からも有益な情報を頂戴し、
法律・労務人事・不動産・社会保険など幅広い情報をタイムリーに発信しています。
事務所通信 > セカンドオピニオンについて考える その2 [セカンドオピニオンにについて考える]

セカンドオピニオンについて考える その2 [セカンドオピニオンにについて考える]

2012-10-22

 絶対的な正解がない、というのは事実認識が人それぞれにおいて異なるからです。

 例えば病気であれば、医師が患者からの問診、触診、各種検査から、何の病名で、
どの程度病状が進行していて、どういう治療をすれば改善するのかを検討し治療方針
を決めていくわけです。
 この病気の程度の認識においても100人の医師がいればその見解は100通りあるで
しょうし、治療方針についても、患者の年齢、性別、体力、過去の病歴、アレルギ?の
有無などを総合勘案して、投入すべき治療薬、手術の要否を決めていくと思われます。

 一方税理士が複雑な税務相談を受けた場合も同様です。
例えば、私が多く手掛けている相続税の申告相談の場合、相続財産の把握ひとつとって
みても、土地の評価では、相続税22条では時価によると簡潔に表現されてはおります
が、時価の把握は大変に難しい。
 一応財産評価通達に沿って計算していくことになりますが、そうして算出された評価額
は、果たして第三者間で平等な条件の下で取引される客観的な売買価額になっているの
だろうか、これを判定しなければならない。
 不動産業者、不動産鑑定士等の意見を聞きながら判断していくわけですが、土地は個
別性が強く、土地の時価を左右する要素は大変多く、それこそ不動産業者と不動産鑑定
士の知識が求められるでしょう。

 また仮名預金、家族名義預金をどう解釈するかなどは、亡くなった方のみならず、ご家族
の財産形成過程から、預金に対する家族の考え方、関わり方までそのご家庭に確認しな
ければならず、事実認識が大変難しいところです。