事務所通信
税務情報だけでなく、他士業の先生方からも有益な情報を頂戴し、
法律・労務人事・不動産・社会保険など幅広い情報をタイムリーに発信しています。
事務所通信 > 得と徳について その1 [得と徳について]

得と徳について その1 [得と徳について]

2011-05-30

 平成23年4月1日から私の所属する東京地方税理士会緑支部の支部長
に就任しました。
 平成7年に、当時勤務税理士として勤めていた東京都町田市から横浜市
に移転してきて早16年になります。
 当初から緑支部の会務には多少お手伝いはしてきましたが、自分が支部長
なるのか、と思うと何か複雑な思いがします。

 支部長の仕事は、支部をまとめること、支部会員の意見を会務運営に生かすこと、
本会(うちで言えば東京地方税理士会といいまして、神奈川県と山梨県がその管轄
区域です)の施策を支部会員に伝達し、本会の施策に協力すること、及び管轄地域
の税務署、法人会、青色申告会他関連団体とのお付き合いが主な仕事です。

 東京地方税理士会の場合、神奈川県と山梨県の2県内に計20の支部があります。
支部長は言ってみれば、支店長或いは営業所長という位置づけでしょうか。
そういうことで、本会からみれば一営業所長ですし、緑支部に限定すれば支部の長
ですし、中間管理職とトップとが入り混じった微妙な立場でもあります。

 昨年の11月に正式に就任が決定したのですが、決まった時の感想は二つあります。
 一つは、もうそんな歳になってしまったのかなあ、という何とも言えぬ寂寞感。
いつまでも若いつもりでいたのですが、振り返れば55歳という、中年ど真ん中ですし、
白髪も大分増えてきました。また多少猫背も進んできました。
 もう一つは、いつまでも若手ぶっていられないのだなあ、もっと若い世代の人たちを
引っ張っていくことが求められているのだなあ、という妙な責任感。
 この二つが入り混じった大変複雑な思いがしました。

 そしてその思いは今でも持っています。自分をもっと高めたいという意識が元来強く
人様の調整役を買うという感覚、意識をほとんど持ち合わせていない、大変自己中心的な
人間です。
 今でも自分が一番苦手とするポジションに就いてしまった、きちんとやれるだろうか
という不安感には常にさいなまれています。

 どうも言い訳だか、抱負だか分からないうじうじとした文面になってしまいましたが、
いずれにせよこの2年間一生懸命会務運営に尽力していきたい、という決意はあります。
支部会員の皆さんには、どうも頼りない支部長でしょうが温かいご支援、ご協力よろしく
お願いいたします。

 本題に入るまで大分時間がかかってしまいました。失礼しました。
今回は「得と徳」について、自分の考えるところを述べたいと思います。

 皆さんまずこの「得」と「徳」についてどういう感じをお持ちになりますか?
 まず「得」については、もうかった、ラッキ?、計算高さ、うまくやりやがって、など大変世俗的
な感じがしませんか。
 一方「徳」という文字から受ける印象は、大変高貴なもの、精神的なものという感じがします
よね。
 広辞苑を引くと「得」というのは、もうけ、利益、手間や費用がかからず便利なこと、とあります。
一方「徳」については、正しい人道を悟り行いにあらわすこと、正義、善道、身についた他人を
敬服させる力、とあります。

 まさに皆さんの第一印象通り、片や世俗的なものであり、もう一方は精神的、哲学的なもの
であり、両者は対極にある文字と言えるでしょう。

 しかし、私はこの二つの文字は同義語になるのではないか、という考えを持っています。
それは「得」をすることが「徳」につながると思うからです。