贈与のすすめ?名義預金とされない賢い贈与 その3 [贈与のすすめ]
2011-05-17
このように、贈与が成立するための一番重要な勘所は、もらった人(受贈者)がもらったという
認識を持つことです。
と同時にもらった財産は、当然もらった人の物となりますから、もらった物に対する支配権
つまりもらった物をどう使おうが処分しようが、管理支配権はもらった人に移転することになります。
何故私がこんなに当たり前のことをくどくど申し上げるかと言うと、相続税の税務調査の際に
必ずと言っていいほど、名義預金、名義株式が俎上にあがるからです。
納税者の方々は、ほとんどの人が預金や株式の名義を単純に親から子に変えれば、もう
それで贈与は完了したと考えています。
しかし何度も言いますが、贈与はもらった人が、もらった財産を自由に管理し、処分できるか
が最大のポイントです。
名義預金、名義株式のほとんどは、名義は親から子、配偶者などに変更されていますが、
管理の実態は以前と同様に、まだあげた側=贈与者にありますので、相続税の税務調査の
際には、その部分を指摘されて、結局被相続人の相続財産として加算されてしまうケ?スが
大半です。
ここで一つ多くの納税者から質問が出ます。贈与したのは相続から10年も前の事だから
時効が成立しているだろう?というものです。
つまり預金や株式の名義を変更したのが、相続の7年以前であれば、贈与について時効が
成立しているはずだ、というご指摘です。
しかしこの考え方は受け入れられません。
なぜなら、そもそも贈与自体が成立していないからです。成立していない以上時効もへったくれ
もありません。
財産をもらった側に管理支配処分権が移転していない限り、贈与が成立したことにならない。
この部分を税務署員が鋭く突いてくるのです。
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