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我が事務所?ISO9001認証取得までの道のり その1 [事務所だより]

2008-02-12

ISO9001については、〃ISO9001って何?〃でご説明した通りですが、ISO9001を知っている方でも、その規格は製造業や建設業のためのものではないのか?とよく聞かれます。確かに製品や商品など、目に見えるものの品質を保証するという意味で、これらの業種の方が一般的なのかもしれません。サ?ビスは目に見えないものだけに、その品質を保証するとは言っても、その品質をどういう方法で、どういう基準で測定するのかが良く分からないのが普通だと思います。

私も最初はサ?ビス業には、その業種ごとに一定のレベルつまり判断基準があらかじめ定められていて、ISO9001の認証を取得するということは、当事務所の提供するサ?ビスが、その基準を満たしているかを予め定められた尺度に沿って判定し、一定以上の評価が与えられれば認証取得になるというように思っていました。しかしよく調べていく中で、他者から与えられた一定の基準が予め存在しているのではなく、そもそもその基準自体を自分達が一から作っていく、取り決めていくということが分かりました。
それが分かったとき、私がどう感じたと思います?まず最初は大いに安心しました。しかし次の瞬間大いに不安になりました。最初に感じた安心感は予めのテスト問題を解く必要はないということからでした。しかし次の不安感は、そう、予めの基準がないということは、自分たちでその基準を作っていかなければならない。どうやって、何を基に?よくよく考えてみるとこちらの方がはるかに厄介です。レディメイドのものがあれば、それらをアレンジし自分たちのオリジナルなものを作っていけば良い。それに対して、ゼロから自分たちのオリジナルなものを作ることの方がはるかに大変な作業です。ISO9001認証取得を宣言した時は、そうした大いなる不安感に包まれての船出でした。

ただ当事務所で大変にラッキ?だったのは、うちの顧問先である製造業を営むT社で永くISO9001に携わってきたY氏を当事務所に招聘できたことでした。Y氏は年配ですが、とて生真面目な方で、ISO9001にも10年以上取り組んでこられた、私にとってはまさにISO9001のバイブルのような存在で、当事務所の基準作りの手法を懇切丁寧に教えてくれました。 
そのY氏が曰く、「基準作りといっても、所長が事務所をどういう方向に持っていきたいのか、お客様に対してどういうサ?ビスを提供しようと考えているのか、などまず所長のイズムを決めることが先決です。」

それならばと、私はかねてから自分が税理士業務について考えていたことを、2?3時間に渡り滔々とY氏に語りました。その長い話しをじっと聴いていたY氏が開口一番、「そうそう、それですよ。それだけあなたの考えが固まっているのなら話しが早い。ISO9001への取り組みも半分成功したと同じです。あとは私がお手伝いします。」と図らずも力強いエ?ルの言葉を頂戴しました。そうか、まずトップの信念、信条ありきで、それをベ?スにしてあとは一つ一つ具体化してゆけば良いのだな、とその時ISO9001認証取得までの道すじ、やるべき課題が少しずつ見えてきました。(つづく)