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研修受講について考える その2 [研修受講について考える]

2008-04-28

 ただ税理士会としても、36時間研修を履行させるべき条件整備がまた万全ではないという理由で、研修時間を義務化しながらも、実務上の取扱いは努力目標としているようです。研修自体は各単位会が主催するものから、支部主催のもの、民間機関主催であるが税理士会に認定研修として認められたものまでかなり対象となる研修は多いと思います。
 強制入会制をとる税理士会が会員のために自分の会主催研修だけで、36時間をクリアさせようという気持ちも分かりますが、受講側の会員としても研修選択の自由はあるのでして、会が用意した研修の中に自分としては興味を示さない又はその研修については自分は研修を受けなくても十分知識があるというものもあるでしょう。
 要は36時間に達するまでの研修を会が用意したからこれを受講すれば十分ということはないということです。どの研修を受講しても良いのですから、そこには税理士各個人の知識に応じてまた自分達がこだわっている研修、或いは講師がよいから受講するなどさまざまな受講動機があり、会として全会員に36時間研修が完遂できるような研修プログラムを用意するのは大変ですし、現実的ではありません。それこそ、そうなるまで待っていたらいつになって36時間研修に向けての条件整備が整うのか分かったものではありません。
 どうもそういうことを理由にしていること自体、36時間研修の必達に向け消極的な姿勢が垣間見えるというか逃げ腰の態度がミエミエです。
 私は常々思っている事ですが、
逃げられないものであれば開き直ってやるしかない、どうせやるなら追い込まれてからイヤイヤやるのではなく、もっと積極的に進んでやるべき、だと。                        
そうやって逃げてばかりいるから、ますます自分たちの立場が追い込まれていくのではないか?
 これは人生、仕事、勉強全てに言えるでしょう。要は物事に向かう姿勢の問題です。前に触れたブログで、税理士は個人としての能力は高いけれども、会としてまとまると個々人の力を十分発揮しきれていない、というような内容の事を書きましたが、まさに然り。全体を守ろうとして却って立場を悪くしていて、逆効果ではないでしょうか?
 護送船団行政と言えば、一時代前の保険業界が代表的でした。しかしその結末はどうか?規制緩和の潮流の下、下位にある会社は振り落とされて倒産又は吸収合併の憂き目をみました。
 税理士会の他各士業にも規制緩和という黒船が押し寄せています。その中で執行部の方々が何とか自分達の業界を守るべく奮闘されていることには大変頭が下がりますが、全体を守れるほど甘い状況ではないと思います。ここは″身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ″という諺もある通り、この機会に税理士会構成員のレベルアップを図る施策を強力に推し進めるべきではないでしょうか。