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研修受講報告 税務研修 その1 [研修受講報告 税務]

2008-04-29

 私が受講する研修の中で最もワクワクしかつ勉強になるのが、笹岡宏保先生が講義される研修です。税務研究会で主催されるケ?スが圧倒的に多いです。研修のテ?マとしては資産税が80%以上を占めるでしょうか。土地の評価、借地権、非上場株式の評価など資産税に関するテ?マが多いのが魅力です。 笹岡先生の講義が面白いのは、何といっても各テ?マへのアプロ?チの深度がすさまじいことです。通り一遍の説明ではなく、必ず裁決事例を持ち出し、判例の解釈の過程を事細かく解説してくれます。また法律、通達などの歴史的変遷にもしっかり触れてくれます。暗記ではなく法律、通達の考え方、歴史的変遷を学ぶにはこれ以上の講義はありません。したがって先生の講義を受けた後には、受講した研修テ?マに対する理解が深く、簡単に忘れることがありません。
 一般の講義にありがちなのですが、説明したいテ?マが多すぎるのか表面的な知識の羅列にとどまってしまい、残念ながらレジメの棒読みに終始することが少なくないので、そうした研修を受講しても知識が頭に残らず、物足りない思いをすることが多々あります。その点笹岡先生の講義は一つのテーマに対して十分な時間をかけて深く切り込んでくれるので、そこで得た知識の深さが違います。
 何せ笹岡先生が裁決事例を解説するときの目の輝きといったらすごいの一言に尽きます。獲物を狙う豹のように、目を輝かせながら「この裁決は実に興味深いですね。読んでいてワクワクしますよ。」と本当に嬉しそうに話すのです。それを聞いて私はいつも、先生は本当に勉強が根っから好きなんだなあ、と羨ましくなります。探究心にあふれていてまるで好奇心に充ち満ちた子供のようです。だから私は笹岡先生のアダ名を勝手に″判例オタク″とつけています。(笹岡先生、ゴメンナサイ。)ともかくすさまじいほどに真理の探究に純粋なのです。
 そんな先生の講義ですから、時間の延長は当たり前、うかうかすると途中の休み時間まで不要とばかり削ろうとする有様で、それでも講師本人はまだまだしゃべり足りないのがもどかしいようです。生徒も速射砲のような言葉の雨あられの中、寝ている暇はありません。みな半分快感となって先生の講義に聞き惚れている、というのが正解なくらい一種異常な雰囲気の中で一日研修が目一杯続きます。
 私が笹岡先生のファンになったのは、一冊の先生の著書がキッカケでした。その書籍とは、清文社発行の「財産評価の実務」です。もうかれこれ10年以上毎年購入しています。毎年購入するごとに厚くなっていって、ここ数年はついに2分冊になっています。2?3年後には3分冊になるのではないか、という勢いです。それだけ分厚い本ですから読むのがイヤになってしまうか、というとそうではありません。まさに痒い所に手が届くぐらい情報がワンサカ詰まっています。笹岡先生の私見も多く掲載されていますが、自分の中では笹岡先生を論破する税理士がいるのかという位勉強され探究されている方の私見ですので、大いに参考にさせてもらっています。
 まさに遺産税のバイブルと呼ぶにふさわしい書籍で、勿論私の座右の銘の一つに数えられる書籍です。ですからこんなスゴい本を書く人は誰なのか、著者紹介欄を見ればまだ若いし、国税局出身でもない、大原簿記学校の講師をしていたというが何故にこうも詳しいのか、大変興味を持っていました。
 ある時税務研究会からのDMで゛笹岡先生による資産税研究会の案内を見て、これは行くしかない、と決めワクワクしながら研修に臨みました。定刻通り笹岡先生が壇上に立ち、司会者から先生の紹介がありました。何だ、小柄で分厚い黒ブチの眼鏡をかけた神経質そうないかにも学者肌の先生だな、大丈夫か?といぶかしげに見てしまいました。
しかし司会者の紹介が終わり、笹岡先生がマイクを預かった瞬間、あのト?ンが高いのに少しドスの聞いた声で速射砲のようにしゃべりだしたのです。勿論関西弁で。(笹岡先生は大阪の出身です。)一瞬にして会場全体が笹岡ワールドに包み込まれました。そして私は魂をぬかれました。
 以来約10年笹岡先生の追っかけとも呼べる位、先生の講義は極力聴きに行くようにしています
 続きは次回また。