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研修報告 CS関係 その3 [研修受講報告]

2008-04-26

 CS研修受講記の続きです。                                     
K氏の一言一言は、事実に裏付けられたものであるだけにその説得力はすさまじい。
組織を動かすということは、とてつもないパワ?を必要とする、しかしそれが動き出せばこれまた大変なパワ?となる。前回までのポイントを再度説明すれば、トップの理念はさしずめ火種、そしてその火種を大きくし松明にするのが組織への浸透、といったところだろうか。
 次なるステップは慣性の法則である。つまりCS活動への良い流れを一過性のものとせず、螺旋状のように回転する仕組み作りである。これが完成すれば組織は、良いサイクルが出来、そのサイクルが永続し、組織に良い結果をもたらすこととなる。その組織作りが第3のステップである、という。
 その一例として、K氏はある会社の例を挙げた。ある伸び悩んでいる会社があった。その会社では営業で一定の期間の売上上位3人を優秀者として表彰していた。K氏はこう助言した。「社長、せっかく設けた表彰制度です。上位3人ということではなく、一定以上の売上を達成した人全員を表彰されたら如何ですか?」この表彰制度に切替えたことによりその会社の業績は大きく伸びた、という。 
 何故か?それは今までの表彰制度は競争原理を導入していたのに対し、新制度ではこれを撤廃しみんなが表彰される制度に変更されたからである。競争原理の下では文字通り少数の勝者がいる一方で大多数が敗者となる。この方式では組織として伸びることはない。何故なら組織の構成員同士で足を引っ張り合うからである。組織を強くしようとすれば、全体の力が上がるような仕組み作りを考えなければならない。表彰制度は有効であるがある人のモチベ?ションが上がっても片方で白ける人がいたら何にもならない。
 会計事務所の人間は基本的に一匹狼である。今は職員であつても将来資格を取得すれば当然独立を考える、だから組織どうのこうのより自分の力をつけることを最優先に考える、これが一般的な会計事務所の職員像であると思う。かくいう自分もそういうスタンスで仕事をしてきた。しかしそうして育ってきた人間が組織力で勝つやり方を自分の事務所にすんなりと導入できるだろうか?また顧問先に組織力を強化することをキチンと指導できるだろうか?實はこの点こそ自分並びに平均的な税理士の最大の弱点ではないだろうか?
会社は個人プレイでは大きくなれないし、組織力の底上げが何よりも大切である。社長のイズムを十分に理解した社員が一糸乱れぬように社長の理念を具現化すべく全力で、本気で動いたらそれこそ何万馬力のパワ?であろう、そしてその瞬間こそ社長冥利に尽きるということができよう。
 K氏は続けて言う。
「本気になって仕事をする人間が会社の中にどれだけいるか、それによって会社の将来が決まります。」
と。
社員の本気度をもっともっと上げる努力を、経営者はそれこそもっと本気になって考えていかなければなりません。     
続きは次回に。