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私の愛読書?悩む力を読んで その1 [私の愛読書]

2008-10-15

 今日から何回かで、最近私が深く感銘を受けた書籍の感想を述べたいと思います。

 その書籍とは、「悩む力」(姜尚中氏著)です。

 この書籍を本屋で手に取ったのが、9月18日、それから約1か月の間にもう5回も読みふけりました。
何がすごいって、この本は、自分が悩んでいるテ?マ、自我、働く意味、宗教観、老いとどう向き合うかなどについて、正面から真面目に取り組み、がっぷり四つで筆者なりの明確な解答を出している、大変に貴重な書籍です。

 2章から終章まで8つのテ?マについて筆者の考えを縷々述べていますが、自我、金、愛、青春、働く、死ぬ、老いなど、どれも万人にとって普遍的なテ?マであり、非常に身近なテ?マですから、どの人が読んでも引き込まれていくこと請け合いです。

 筆者の論調は、非常に明快かつ分かり易く、かといって押しつけがましくありません。
 筆者は夏目漱石とマックス.ウェ?バ?に心酔されているようで、お二人の生き方をしばしば引用しながら、各テ?マにおけるご自分の考えを滔々と語っておられます。

 筆者の文章の中に「まじめたれ」という小見出しがありますが、文面はまさに真面目そのものです。どうしてここまで真剣に悩むのか、その自分の心に忠実で妥協を許さぬ真摯な姿勢には、頭が下がる思いです。と同時にともすれば流れに身を任せ、考えること、悩むことを放棄しがちになった私自身に強烈なパンチを浴びせられた気分です。

 そして筆者は悩みぬいたうえで、突き抜けなさい、弾けなさい、と読者にエ?ルを送っています。
 ただ悩むからには、中途半端で悩むな、自分である程度納得がいくまで、自分なりの解答が得られるまで悩めと言って、軽薄に結論を求めようとする風潮を戒めています。