事務所通信
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私の愛読書?悩む力を読んで その2  [私の愛読書]

2008-10-16

 手前味噌で恐縮ですが、私は4?5月位にかけて自分のブログ「家族制度について考える」の稿で、自由主義がもたらす数々の弊害、特に自由という美名の下に、自由が暴走し極端な個人主義が蔓延する結果、社会の構成単位がどんどん細分化され、それは家族制度にも及んでしまった。
 その結果親子においてすら十分なコミュニケ?ションがとれなくなり、十分な情操教育、道徳教育を受けていない子供たちが大量に社会に出ることとなった結果、さまざまな不適応現象を引き起こしていることをくどいほど訴えてきました。

 私は個人主義、集団の解体が資本主義のもらたす負の側面であることは認めながらも、何とか制度を見直すことにより、これらのマイナスの部分を少しでも食い止めることができるのでは、と淡い望みを捨ててはいません。

 しかし、姜教授のこの著書によれば、資本主義、科学の普及により、人と人とを結び付ける諸制度がどんどん解体され、人が個に細分化されていくことは食い止めることができない悲しい現実として受けとめざるを得ない、と説いています。

 その上で姜教授は、個人の自我の確立、そして他人の自我との共存のあり方、すなわち相互承認という形を各自が確立するよう、各個人の心の鍛錬を「悩む」ことを通じて積むように、切々と訴えています。