税務調査について その1 [税務調査について]
私も税理士として資格登録して、今年で23年になります。
資格登録したのは、東京都町田市にあるI税理士事務所でした。つまり勤務税理士として登録をさせていただきました。当時は税理士の資格は取得しましたが、同時にI税理士事務所の使用人であったこともあり、やっている業務も税理士資格取得前と何ら変わっていませんでしたから、税理士法について深く考える必要もなく、ひたすら目の前の仕事と格闘していました。
ただI先生から、税理士の業務についてレクチャ?を受けた時の一言が大変印象に残っています。
それは、
「税理士業務というのは、法を遵守する法の番人としての側面と、もう一つサービス業としての側面があります。この両者のバランスをとるのが非常に難しい。税理士が10人いれば、そのスタンスは10日人全部違う位、これという正解はありません。小池さんもこれから税理士としてやっていく中でこれから大いに考え、悩んでください。そして自分なりのスタンスを見つけてください。」
そうか、税理士業務というのは、言わばやじろべえみたいなものだな。税法遵守とサービス業との両立という相反する立場を両立させなければならない。どちらに偏ることもなくまさに綱渡りの世界だな、と若輩ながらこれから歩む道の厳しさを感じ取っていました。
確かに仕事の中でお客様からの要求を、税法に照らし合わせてみると限界があり、むしろお客様の要求というか希望を受け入れてあげられるケ?スの方が少ないように思います。
サービス業であれば、極力お客様のニーズにお応えするのが基本中の基本であるべきです。
それなのに私は、お客様のやっている会計処理にケチをつけ、税務相談を受けても、このケ?スでは、お客様の考えは税法に照らし合わせてみると、合法の範囲から外れるからダメですなどやっている仕事の殆どは、お客様のやり方や考え方をセーブすることばかり。
確かに我々税理士の仕事は、監査業務簡単にいえばチェック役ですから、どうしても人の処理した業務を法律に照らして正しい処理に改めさせるお目付け役です。
ですから一般的なサービス業に対するイメ?ジ、お客様は王様、神様であり、お客様の要求を極力受け入れていくイメ?ジと、我々税理士業務とは程遠い感じです。
まさに憎まれ役そのものですから、人に好かれる商売では決してなく、とても割の悪い仕事を選んでしまったものだなあ、とガッカリしたことも多々ありました。
しかし、我々が評価される局面もあります。それは税務調査立会時です。