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税政連の活動とその役割 その11 [税政連の活動とその役割]

2008-09-29

 税理士法第1条に謳う我々税理士の使命の中に、「独立した公正な立場において、申告納税制度の理念に沿って....納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」というフレーズがあります。
 この条文は、昭和55年税理士法の大改正により規定された条文です。

 税理士の使命については、別の機会にブログ投稿するつもりです。
 税理士法の改正については、数々の変遷を経て現在に至っているようですが、今でも税理士のあり方、使命については、7万人余りいる全国の税理士の間でも様々な意見が出ているようで、改正の動きが未だにあります、というかその火種が大分くすぶっているようです。

 考えてみれば昭和55年の大改正以来28年余り、大きな改正はされていませんが、その28年間には世の中の情勢は大きく様変わりし、国民、国税当局が税理士に求める姿も大分変ってくるのは当然のことでしょう。

 確かに税理士の使命を規定する税理士法第1条は、我々税理士にとって憲法のようなものですから、徒らにいじるべきではない、普遍性を持つものは時代が変遷しても変えるべきではない、という考え方もあるでしょうが、私には読み込めば読みこむほど、税理士法第1条に疑問を呈せざるをえません。

 この規定を読む限り、果たして税理士は真に ″独立した公正な立場″でいるのかという疑問です。

 申告納税制度を堅持し、納税義務の適正な実現を図ることは、今までも、そしてこれからも税理士にとっての究極の目標であるべきだと、私も確信します。
 しかし、この条文を読む限り、単に我々税理士は、官僚が作成しそして国会議員によって承認された税法などの法律を、清々粛々として執行していくだけの、いわば実務家としての側面しか見えてこないのです。
 ″独立した公正な立場″は、納税義務の適正な実現にかかる言葉ですから、納税者と税務署との間に立ってどちらにも偏らず、申告納税制度の理念に沿って、つまり税法の条文を拠り所に忠実に判断をし、実務を執行してください。と読めるのです。