事務所通信
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税政連の活動とその役割 その10 [税政連の活動とその役割]

2008-09-28

 そのため税政連も、金額うんぬんではなく、そもそもこの法35条の立法趣旨及び成立過程に問題があるから、一度白紙に戻して、つまり撤廃して再度検討しましょう、と訴えているのです。

 と同時に国会議員にも、税法のあり方についてもっと勉強し、理解を深めていただきたく、さまざまな情報提供を行っております。
 この法35条と、平成16年に施行された措置法31条の土地建物の譲渡による譲渡損失の切り捨てについては、日税連及び税政連は、毎年税制改正の最重点項目として指定し、意見が受け入れられるまで粘り強く訴え続けていきます。

 こうした日税連及び税政連の粘り強い活動には頭が下がる思いですが、元を辿ればそもそも国税当局が、重大な法律改正をろくろく審議もせず煮詰めもせず、見切り発車してしまったことに元凶があるのです。
 あまり書くと何やら恨み節になってしまいますが、私のブログア?カイブ「税制改正についての私見」でも述べていますように、税理士は実務家ではありますが、納税者に一番身近な位置にいて、一番納税者の実情が分かっているのです。またその一方で税法にも精通していますから、何が良法で何が悪法であるかもよく分かっています。

 ですから法律を制定する場合に、事前にもっと税理士の意見を訊いて頂きたい。もっと税理士の意見を受け入れて頂きたいと思うのは、当然だと私は思うのですが如何でしょうか。
 傲慢でも何でもなく、また我々税理士は、我々の憲法である税理士法第1条において、その中立公平な理念を高らかに謳っていますので、税理士会は業界の利益をゴリ押しする利益団体とも全く違うのです。

 ですから平成16年、平成18年と立て続けに、ろくな審議も経ずに乱暴な法律が作られ施行されると、我々税理士は何ともやりきれない気持ちになります。
 自分たちの無力さを痛感するとともに、税理士が国税当局から置かれている立場、肝心な法律を制定するのにあたって無視されている現実、そうした現実に悲しくなるのです。