事務所通信
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税政連の活動とその役割 その9 [税政連の活動とその役割]

2008-09-27

 その趣旨は理解できるにしても、この法律はそもそも同族会社、同族経営を諸悪の根源とみなしていることに最大の問題点があります。
 確かに同族経営では、株主=社長ですから、社長の考えを妨げる人、機構は基本的に存在しません。
 だから好き勝手にしているというのが、国税当局の認識のようですが、この不景気下、自分たちが決めた役員報酬をきちんと毎月、遅配なく貰って経営者がどの位いらっしゃるのでしょうか。
 少なくとも私が知っている限りでは、大半の同族会社の役員特に社長の報酬は遅配が当たり前、会社の経営状態によっては、もう何年分もの未収報酬が積み上がっている方も珍しくありません。

 ですから同族会社=税法をうまく逃れてうまくやっている会社と決めつけることは、あまりにも乱暴な物の見方ではないでしょうか。
 現状をもっとよく見て頂きたい。自分の報酬は一番後回しにしても、会社を回していくため、資金繰りに四苦八苦しながらあえいでいる経営者が多い現実をもっと知って下さい、と言いたいです。

 一部には税務当局の想定する通りの会社もあるでしょうが、それを全体に押し広げて適用するのは乱暴以外の何物ではないのです。
 もっと現実に即した税法にするためには、現状分析、規制すべき対象の会社をもっとピンポイントで絞り込むなどもっと時間をかけてじっくり法制化すべきものであって、単純に適用対象となる金額を引き上げたからそれでおしまい、という小手先で解決できる問題ではないでしょう。