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税理士制度の今後について その4 [税理士制度の今後について]

2008-07-08

 税理士会の主催する研修制度については、36時間という最低受講時間のシバリもさることながら、会場型で講師が一方的に情報を発信する旧来のやり方についても疑問を感じています。
 毎年必ず税法改正がなされる、しかも近年大きな改正が相次いでいますので、そうした税法改正項目についてより早く情報を得て、自分たちの知識として取り込まなければならない訳ですから、そうした研修については従来型といいましょうか、会場型研修が最も効率が良いことは言うまでもありません。
 しかし最近私がとみに感じるのが、税法のあり方について税理士はもっと積極的に考えてよいのでは、というよりももっと考えなければならないのでは、ということです。
 税理士法第49条の11に建議権が認められているという理由だけではなく、真に税理士法第1条に規定する「独立した公正な立場で」その職務を全うしようとするのであれば、ただ作られた法律に唯唯諾諾として従って、黙って法律を執行しているだけではなく、納税者の権利擁護のために、おかしな法律はもっと声を大にしてその改正を求める積極的な姿勢こそ、求められているのではないでしょうか。
 くどいようですが、税理士は国側でもなく納税者側でもなく、中立公正な立場において、税務行政を執行していく職務にあることが、税理士法第1条に規定する税理士の使命の骨子である、と思います。
 従って国側で作られた各種税法で、その趣旨が曖昧であったり、法律の成立過程で十分な議論がされておらず、煮詰めが甘いまま法定化されてしまった法律などに対しては、もっと厳しい対応をすべきではと思うのです。
 だって一旦法律が制定され施行されれば、その法律が国民を拘束するのですから、その影響は甚大です。
 それなのに十分な議論とコンセンサスが得られていない法律を制定し、施行するということは暴挙です。
 それほど国民生活に大きな影響を与える法律であらばこそ、もっと慎重かつ説明責任を十分に果たした上で施行されるべきではないでしょうか。
 そして税理士は、法律の施行過程でもっと積極的に関与すべきだと私は思うのです。
 確かに税理士法では建議権が認められていますが、あくまで税法改正要望という形で建議書を提出しますので、税法改正に与える影響は残念ながら強い方ではありません。
 それよりももっと強い権利、つまり税法の改正、新設にあたって自民党税制調査会など法律制定過程のメンバ?として税理士が参加し、税理士の意見がもっと成立過程から反映されるような制度に改められるべきだと思うのです。
 そうすれば制定された法律に対して、あとから陳情という形での改正を求める活動も必要がなくなると思われますし、その方が無駄がなく、また一旦施行された法律をまた変更することで、国民生活に混乱を来すこともないわけです。