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勤務税理士時代を回顧する その13 [勤務税理士時代の回顧]

2008-08-04

 そうしてT,I先輩が退職されて程なく、I先生は事務所の内部を大胆に改装され、パーテ?ション、収納書棚をそっくり新調しました。
 その上で内部組織体制を一新され、何と私に副所長への就任を要請されました。
 私からすれば、まだ上に2人の先輩がいらしたのでお断りしたのですが、I先生は決めたことは曲げない方だったので仕方がありません。
 ただ今まではT先輩がきっちりやってこられ、また急にお辞めになったので引き継ぎもなく、また気持ちの整理もない状態での副所長就任ですから、何をやってよいのか皆目分かりません。
 自分は前回以前にも触れてきましたが、それまでの8年間はひたすら自分の能力を上げることのみに力を注いできましたので、人を束ねる行動は一切執ってきませんでした。というより関心がありませんでした。
 そういう一匹狼的な人間に何故I先生からの命令が下ったのか、はその当時は皆目理解できませんでした。
 自分は1対1で教えることはできるのですが、約10名いる職員を同時に教える、特に事務所の運営方針を教えるなどは、今まで考えたこともなかっただけに、また2人の先輩も経験がないわけですから聞くこともできず、大いに苦しみました。
 とりあえず自分が副所長的な統括の仕事をするためには、自分が担当を持っていてはまずいということで、自分の担当先を何人かの職員に割り振りました。
 そして自分がフリーの立場になった状態で、次には事務所職員の管理体制を確立すべく、作業日報の導入に踏み切りました。
 当時、I事務所の職員の仕事のやり方は各職員まちまちで統一されていなかったことから、そこにもメスを入れ,、作成書式の統一化を図るべくTKCの出力帳表を参考にしてオリジナルなフォームを作成しました。
 まず作業日報に関しては、各職員から不満の声が挙がったものの、事務所の管理体制の確立には欠かせないものとして何とか皆をなだめすかし、とりあえず導入には成功しました。
 しかしもう一つの仕事の標準化、作成手順の統一化には難儀しました。
 みな入ったばかりの職員ではなく、数年?10年選手ばかりで、自分なりの仕事のやり方,スタイルを持っていたために、私の勧めるやり方に従ってくれませんでした。
 特に,影響力のある2人の先輩が頑として言うことを聞いてくれなかったので、それを見ていた後輩も当然言うことを聞かず、結局この試みは当初から頓挫しました。
 また当初導入には成功した作業日報も、その集計結果を見て、自分たちが管理され注意されるだけの資料作りに段々各職員の不満も溜まっていき、ついには書くことは書くが、書いている内容はとてもずさんで、いい加減なものであったために、とても管理資料となりえず、結局この試みも空中分解してしまいました。