事務所通信
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勤務税理士時代を回顧する その2 [勤務税理士時代の回顧]

2008-07-19

 私がI税理士事務所に入所させて頂いたのが、昭和55年5月。
 祖父の確定申告をやっておられたI先生に父母が頼みこんで、就職させてもらった、まさにコネでの入所でした。
 当時は本当に恥ずかしながら、簿記の知識は一切ありませんでした。またソロバンもできず、それこそ全くのド素人でしたから、I税理士事務所の職員さんたちも、私がI先生から紹介を受けた時に、皆さんは怪訝そうな顔をされていました。、
 だって税理士事務所がどんな仕事をしているかが全く分からない若者が、急に後輩になると言われても、どうやつて指導していくんだ、単に冷やかしで入ってきたとすれば、とんでもない奴だと思うのが当たり前でしょう。
 私も税理士事務所に入るのだからその少し前から、税理士がどんな仕事をする職業なのか、下調べをしておけばよいものを、全く白紙の状態でいきなり会計事務所に飛び込んできたものですから、職員の皆さんが戸惑うのも無理はありません。
 そんなことで、私の会計事務所での毎日は、今思えば皆さんのお荷物になりながら、しかし自分は見るもの聞くものがすべて新しく、新鮮な気持ちで仕事に取り組んでいきました。
 仕事をしながら、まずは日商の簿記検定3級を取得すべく、近くの簿記学校にも週2回通い始めました。
 簿記は単なるル?ルであり、ル?ルはル?ルと受け入れてしまえば良いものを、借方、貸方の言葉の意味から入ってしまいましたので、いきなりつまづいてしまいました。
 だっておかしいでしょう。現金が増えれば借方に記入するのですが、なぜ現金が増えれば借りることになるのでしょうか。そんなへ理屈ばかりこねていましたので、最初から簿記嫌いとなってしまいました。最後は資産が増えれば借方、収益が発生すれば貸方、負債の返済は借方などそのル?ルを覚えましたが、何か自分の気持ちの中では釈然としない状態が続いていました。
 そうして何とかその年の11月にようやく3級の試験にパスし、いよいよ税理士試験勉強を本格的にスタ?トさせました。
 そんなことで私は簿記が嫌いだったので、最初に勉強した試験科目は財務諸表論でした。
財務諸表論は、財務諸表すなわち決算報告書の作成にあたっての会計指針 つまり企業会計原則を中心に商法計算書類規則を理解し、会計処理基準及び決算書の表示ル?ルを学ぶものです。
 この財務諸表論は滅茶苦茶に好きでした。理論、理屈を勉強する学問ですので、かくあるべき、が好きな自分には合っていたのでしょう。
 また当時の講師、横山和夫先生も大好きでした。水道橋にある税研実務研修センタ?に通っていたのですが、その財務諸表論の講師が横山先生でした。
 横山先生は、後に税理士試験の試験委員もなされましたが、何しろ説明が明快でとても分かりやすく、かつ理論的で全く申し分のない先生でした。
 余談ですが私は、教師、先生については大変に好き嫌いが激しく、好きな先生の教えている科目は熱心に勉強しますが、嫌いな先生の勉強はしないので、科目間の出来不出来が極端に出てしまうのです。その傾向は高校生からはっきり出ていました。