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家族制度について考える その8 [家族制度について]

2008-06-12

 人間はこの地球上に生息するあらゆる生物の進化の頂点に立つ存在だと言われています。
それが証拠に人間には他の生物に比べて圧倒的な学習能力があり、記憶力があります。
 神がわれわれ人間をして、この地球上でそういう存在に仕立てて下さったのです。
 もっと分かりやすく言えば、我々人間はそういう能力を持ってこの世に生まれてきた、ということは、その能力を十分に生かすようミッションを与えられてきたともいえるわけです。 

 学習能力というのは、簡単にいえば前の人がした失敗を次の人は繰り返さないということです。記憶力も前の経験が脳に記憶されて、次の行動に役立てるべく与えられた能力です。
 その学習能力、記憶力を私たちは十分に生かしきっているのでしょうか。

古代から度々繰り返される戦争などは、如何に人間が先代の経験を生かしきっていない、つまり学習していないことを端的に表すものではありませんか。

 私は人間が人間らしくあろうと思うのなら、先祖の業績をつぶさに観察し、良いものは残し次世代以降にキチンと伝承し、悪い事は反面教師の教材として改めてゆくことが必要だと強く思っています。
 そのためにはまずお年寄りの人生訓を肉声で聞くことが必要です。

加齢臭がするからイヤだ、ウロウロされてうざったい、などと言わず先人の人生の先輩の貴重な体験話をじっくり聞こうではありませんか。尊敬の念をもって。
 だって若い人にはできない、あるいは若者がこれからやろうとしている経験をお年寄りは既にしてきているのです。苦労してきているのです。まさに生きた教材ではありませんか。
 そんな事を言ったって自分が経験しなければ、本当のところは分からないではないか、との反論を受けそうですが、では聞きますが、経験がすべてというのであれば、痛いという経験をするためにあなたはわざわざ車の前に飛び込んで怪我をしますか。
 そんなの痛いに決まっているからするバカはいないではないか、と言うのであればそういう時だけ先人の知恵を流用するのか、それならば他の経験をしていないことだって同じでしょう、と切り返したくなります。
 人間には想像力も備わっているのです。自分が経験をしていなくても、穂人の経験から想像するつまり疑似体験ができるのです。
 映画、テレビでも私たちは、作り手の意図に沿って、役者に自分を投影させて疑似体験をしているのです。だから聞く耳を持っていれば十分疑似体験ではあれ、経験ができるのです。
 先人の知恵をもっと拝聴し自分の経験の一つに組み込めれば、自分の経験量が格段に上がり、それだけ知恵者になれるのです。
 お年寄りも自分たちがもっと社会に必要とされている、尊敬されているとなれば、生きる気力ももっと上がり、生き生きとした老後を送ることができるでしょう。
 そしてそうしたお年寄りの老後を観察している我々は、あと何十年後には自分たちも若い人に尊敬され惜しまれる存在になっていくのかな、なったらいいなと老後に希望を持つことができると思うのです。まして子供は親のとる行動をよく観察していますから、老人を尊敬し、いたわり大切にするその姿を見ていれば、自然と同じ行動をとるようになるのではないでしょうか。
 お年寄りから学ぶべきことはいくらでもある、それが道徳教育につながるという話をしました。