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広大地に関する考察 その6 [広大地についての考察]

2008-09-08

 広大地に関する研修は、財産評価基本通達24?4が発表されてからもう5年近くになりますが未だにその解釈を巡って度々開かれています。
 これ一つ採ってみても、如何にこの通達の取扱いが難解であるかがお分かりだと思います。
 普通1?2年間は法律や通達改正があると、それをテ?マとした研修は頻繁に開かれるのですが、広大地のように5年近く経った今でも研修がさかんに開かれるというケ?スは、私は他には知りません。
 その理由は、課税庁自身もこの通達の取扱いについてたびたび情報を公開し、その処理の統一を図るべく苦慮していること、そして判例でも納税者有利の判決が出たり、その後にそれほど日を置かない判決では、税務署の主張が認められる判決が出たりと、今でもその方向性が定まっていないことにあると思われます。
 事実国税庁は平成16年6月4日付でこの通達を発表したすぐ後であるにもかかわらず、、その通達を補足すべく、同年6月29日付で資産評価企画官情報を発表しました。
 さらに平成17年6月17日付で、さらに資産評価企画官情報を公開しました。
 私も、この広大地に関する研修はもう10回以上受講したでしょうか。
 それでも未だに分からない、というかどちらか判断に迷う事例は後を絶ちません。
 普通何回か研修を受講し、その後実例を何度か経験すれば、何とかその法律、通達については征服できるのですが、この広大地については奥が深いというか、やればやるほど一つの疑問が解決したかと思えばまた別の疑問が湧いてきて、もうこれでこの通達については完璧だ、と言い切ることができません。
 
 最近は広大地については、「最有効使用の原則」という観点から、各土地についての最も経済合理性に合った使用とは何か、を考えるようにしています。
 
 ところがこの「最有効使用の原則」というのがまた曲者でして、一体誰からみた最有効使用なのか、最有効使用とは土地が最も有効に活用されることを意味するが、それは逆な見方をすれば、土地がどういう形であれば一番高く売れるかと同し゛意味と解釈してよいかなど疑問があります。
 広大地に関する資産評価企画官情報には、他にも一見分かりやすそうで、よく考えるとよく分からない言い回しがいくつかあります。
 「明らかにマンション適地と認められる土地を除き...」とか、「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地....」などです。