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相続税の申告及び相続税の税務調査留意点 その1 [税務調査について]

2012-11-28

 小池税理士事務所は平成7年に開業して、早18年目を迎えました。
横浜市緑区長津田町という、横浜市のはずれにある住宅街の一角で開業したものです
から、自分の思惑とは大分違って、会社(法人)のお客様はなかなか増えませんでした。

 その一方でこの地域は資産家が多く、土地の譲渡や相続案件が多いことから、資産税
に関する相談が当初から多かったことには驚きました。
 その時に、私が開業以前に勤めていましたI会計事務所での知識、経験が大いに役立
ちました。

 I先生は、私が入所して3?4年目から土地譲渡の申告をやらせてくれましたし、私が
勤務税理士となってからは、地価税の評価及び申告、相続税の土地評価も何件かやら
せて頂きました。
 私が資産税に比較的抵抗がなく入っていかれたのも、I先生のお蔭だと感謝しています。

 そんなことで、小池税理士事務所を開業してから早くも資産税を中心に展開する事務所
となっていました。
 また私の父が田奈農協の専務をやっていたこと、そして何より私の先祖がそもそも農家
であったこと、そうした生い立ち、境遇からして今にして思えば、資産税案件は自分にとっ
てお客様との目線が近い、お客様の気持ちが良く分かる立場の人間として、最初から
合っていたのかもしれません。

 開業から17年余り、最初の2,3年は年に2?3件程度の相続税の申告依頼でしたが、
4年目くらいからは毎年10件以上の相続税申告のご相談及び申告をやってきました。
数えてみますと、相続税申告件数は150件を超えました。

 今までの約20年間の相続税申告の経験を踏まえて、これから何回かで相続税申告に
あたっての留意点、相続税の税務調査の実態及び留意点について述べていきたいと思
います。

 相続税申告は亡くなった方の、一生涯かけての財産の形成過程を俯瞰し、適正に相続
財産を評価計算し、その結果としての相続税を計算していくのですから、大変に奥が深い
のです。
 私も毎回相続税の申告計算をしていても、これで本当に間違いがないか、100%自信
を持って申告書を作成できたことはありません。
 人の一生涯かけて蓄積してきた財産の計算を、わずか10か月でやらなければならない
のですから、ある意味無理があります。割り切りもあります。
 しかしどこまで割り切って良いのか、未だに結論は見いだせません。

 ただ一件一件申告を重ねていくことによって、少しずつ見えてくるものもあると信じてい
ます。
 そういう意味では、相続税の申告は、外科の執刀数と同じように場数を重ねていくことに
よって、より熟練度を増していくものかもしれません。