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研修受講報告 経営について [研修受講報告]

2008-06-30

 先日,A協会主催の研修を受講しました。
 B社長から直々にその迫力のある肉声を聴くことができ,またその内容も十分説得力のあるものであり大変満足して帰ってきました。
 前に「経営について」というテ?マで思うことを縷縷書きましたが、ますます思いは強くなりました。
 それは黒字経営の必要性です。いまさら何を当たり前のことを、と言われますが、単に利益を計上するだけではなく、キャッシュフロ?を重視しながらの経営でなければならない、そして何より社長だけの思いではなく、全社一丸となって目標に向かっていった結果の黒字でなければならない、ということです。
 つまりB氏は、経営計画策定の必要性を強く主張されていました。全社員の思いが経営計画に凝縮され、経営計画が行動指針にもなり、全社員が共通の目標を持つことで結果的に黒字を達成しようというものです。
だいぶ前にCS研修受講報告でも書きましたが、社員の本気度,,これこそが会社の将来性を左右するキ?ワ?ドであると。
 社員を本気にさせ、明確な目標、行動指針を持たせなければならない。社長の個人プレイでは所詮伸び方に限度がある、と言うのです。
 確かに殆どの中小、零細企業が現在あるのも、社長個人の力量によるところが多いと思います。
 しかしブルド?ザ?の如くひたすら前を向いてすべてを切り開いてきた社長も気がつけば中高年になり、以前ほどバイタリティも根気もなくなってきたという会社も多いと思います。
 そろそろ後継者を育てなければと考えるのですが、いかんせんまだ自分の能力に自信を持っているのでそれが邪魔をしてしまう。
 どうしても自分を基準に社員の仕事ぶりを判断してしまうので、まどろっこしくて仕方がない、そのためついつい余計な口や手を出してしまう。その結果社員のやる気をスポイルし、自主性を奪ってしまう、こうした悪循環は職人気質の社長にはありがちな、というより殆どそのパタ?ンで苦労されているのではないでしょうか。
 かくいう自分も大変狭い度量の持ち主で、職員への思い切った権限委譲が出来ずに苦労しています。しかしそれは自業自得ですよね。
 社員への権限委譲と目標の共有化こそが、社員の自主性を促し、社長個人の力量にとどまる会社から全社員の知恵の相乗効果の期待できる会社への転換を図れる、とB社長は力説されるのです。
 それを実現する手段として,全社員が一致協力して作り上げた経営計画書が必要だというのです。
 今まで私は経営計画について一通りの興味を持っていましたし、その重要性を多少なりとも認識しているつもりでした。
 事実ISO9001の取得についても、職員との共通目標を持ち、事務所の行動指針を明確にし、事務所として一枚岩の体制でお客様に向き合うことを意図して導入に踏み切りました。
 その結果は自分としては十分納得のいく内容だと思っていましたが、今回の研修で一番痛い所を指摘されました。
つまりトップダウン型にありがちな、トップの独断性が強いために社員の考え方が十分に反映されていないのではないか、という点です。
 その結果作られた行動目標は、社員にとっては自分の意図に反する内容もあるでしょうから、面従腹背、つまり極端に言えば人の作った目標だから本気になれない,としてせっかくの制度も十分に機能しないケ?スも想定されます。
自分たちが立てた目標であり行動指針であれば、いやでも本気にならざるを得ないでしょう。
 そういう経営計画書でなければ、本当に魂が籠っていない、という痛烈なメッセ?ジでありました。
 社員の自主性を促し、社員の意見を十分反映させながら作成された経営計画書こそ、その会社の共通の行動目標であり行動指針となり、会社の推進力となるのです。
 それができれば理想ですが、自分の狭い力量の中で果たしてそれは可能なのか、自問自答しながら帰ってきました。