私の愛読書?悩む力を読んで その3 [私の愛読書]
2008-10-17
現代社会はとりわけ今の日本は、物質文明と言われるほど、物がどこの家庭でもあふれかえっている位物質的には恵まれていますが、こう教授の説かれるように、物質の豊かさと引き換えに各個人個人はますます孤立化しています。
そして各個人個人が文字通り自由を手に入れた反面、自分達が一体どこへ向かったら良いのか、その進むべき方向を、他の人に頼るのではなく自分自身で探し出し、或いは見つけ出していかなければならなくなったのです。
これは苦行以外の何者でもありません。
分かりやすい例を出しますと、普通皆さんは幼稚園、小学校に入るとクラス分けをされて、同じクラスの子供達と机を並べて勉強したり、遊んだりすることになりますね。そしてクラスという一つの集団の中から親しいクラスメイトが自然に出来て、クラスメイトという小集団の中で自分たちが身を置くことによって、自分も精神的に安心しますし、そこで自然発生的に集団での規律が出てくる訳です。
そしてその小集団の中では、自然に決まった集団規律をその構成員が守ることによって、集団に団結力が生まれてきますし、構成員は暗黙の内に規律を守ることを義務づけられますが、その集団から抜けようとしない限り、その規律を守ることは構成員にとっては苦にはならないのです。
そうです。そもそも人間は、社会的な動物と言われるように、必ずどこかの集団に属していないと生きられないし、集団を形成する以上規律が必要ですから、人は基本的には縛られる、拘束されることは苦にはならないのです。というよりも適度に拘束されることをむしろ望んでいるのです。
←「私の愛読書?悩む力を読んで その2 [私の愛読書]」前の記事へ 次の記事へ「私の愛読書?悩む力を読んで その4 [私の愛読書]」→