事務所通信
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私の愛読書?悩む力を読んで その8 [私の愛読書]

2008-10-22

 生意気な事を言うようですが、その時代、その時代にはそれぞれの時代背景があり、要請される課題も違いますから、後から歴史学者があの時代のあの政策は間違いだった、と指摘しても、その時代に身を置いている人にしか本当のところは分からないのではないでしょうか。

 ですから先代のなした事業をもっと讃え、あとは私たちに任せて下さい、という先人に対する感謝の気持ちをまず表わすべきです。

 最近の風潮で私が最も憂慮しているのは、人を批判することはあっても決して誉めようとしない風潮です。褒めるよりも批判する、こき下ろす、そういう言わば集団リンチに似たメディアの論調に私は大いに戸惑いを隠しえません。

 皆苛立っているのは分かりますが、その苛立ちの不満のはけ口を常に求めていて、何かバッシングの材料があると、これ幸いとばかりに、めった撃ちにする、社会全体がヒステリ?状態に陥っていて、お互いがお互いを傷つけあう、何ともやりきれない社会になりつつあるのがとても心配です。

 それを打開するには、まず相手を認めることではないでしょうか。
 今まで時代を背負ってきた中高年、老人世代の方々にねぎらいの言葉をかけ、その時代背景を理解してあげることが必要であると思います。
 勿論これは、家庭でも、職場でも、地域でも社会全体で気持ちを表わすことが必要です。

 一時代を終えた今の中高年世代は、幸いにして平均寿命が大幅に伸びていますから、第二の青春時代を謳歌することが可能です。
 姜教授は、今の時代若者のみが文化を創っていくのではなく、団塊の世代も侮りがたし、大いに中高年世代の方々、頑張ってもう一花咲かせましょうと大いにエールを送っています。
 確かに若い時のような鋭い感性は失われても、中高年にはおおいに人生経験があります。
 その円熟した知識、経験を生かし、若者文化に対抗して、中高年文化を創って欲しいと思います。
 時間にも余裕が出てきて、気持ちにゆとりが出てきた中高年世代の創る文化は、きっと味わい深いものとなるでしょう。
 姜教授はこうして大いに悩んだ後に各自が突き抜けることによって、達観の境地に達するという極めて仏教的なしめくくりで、後味の良い締め方をされました。あっぱれ。