事務所通信
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税務調査について その4 [税務調査について]

2008-07-12

 このように、間違いや誤りはその場で正せばそれで済んでしまうのですが、その処理が誤りかどうかは数年先でないと判明しないため、お客様にとっては、我々税理士から自分たちの考えをされても釈然としない思いが大変に強いようであるため、当方の提示する考え及びそれに基づく処理を理解し納得してもらうのはひと苦労です。
 この辺になると、お客様と我々税理士との信頼関係にかかってくる部分だと思います。
 もちろん最終的には我々の考えに従っていただくのですが、それでも時々チクリチクリと皮肉を言われることはあります。
 私としては苦笑するしかありませんが、
「税務調査で正されなければ良いという考えでは、いつかはどこかで痛い目に会います。会社は何よりも社会的信用の構築が大事ですから、税務署も大事な取引先と思って、決して信用を失墜することのないようこれからも気を引き締めて下さい。」とだけ申し上げております。
 そうこうしていると程なく税務調査の連絡が入ります。大体1?2週間先の日取りで調査の日程を取り決めます。
税務調査は会社、個人の規模にもよりますが、普通1?2日に亘る臨宅調査です。
 調査は税務署の調査部門の方が1?2名で見えます。調査担当者は上席が殆どですが、まれに統括官が見えることもあります。また新人を同行してくる場合もあります。
 朝10時ごろ会社や事務所に訪問し、午前中は会社の沿革、業務内容、取引先との取引条件、つけている帳簿類の確認など会社に関する全般的な質問を主に社長に尋ねます。
 午後から本格的に元帳、帳簿類の点検に入りますが、勿論調査官はすでに机上調査において、その会社、個人に関して要重点調査事項を絞ってきています。そうでないと効率的な調査が行えないからです。
一般的には総勘定元帳を見ながら、問題がありそうな取引の処理について、領収証、請求書あるいは通帳といった原始書類を丹念に見て、取引の流れをチェックします。
 やはり売上関係からチェックしていくのが一番多いです。売上は会社で取引量が勿論一番多く、そのため不正を一番したくなる項目だからです。売上の除外や圧縮などの不正取引が行われていないか、場合によっては社長個人の通帳も閲覧します。社長個人からの借入金が多い会社にあっては、本当に社長個人から借り入れているのか?その事実は?など丹念に事実確認を進めていきます。社長借入金の原資が売り上げを除外したお金であることが往々にしてからです。
 また期間損益関係として、当期に計上すべき売上を翌期の売上としていないか、〆後売上がキチンと計上されているか、も含めていつも変わらぬ要重点調査項目です。