事務所通信
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税政連の活動とその役割 その1 [税政連の活動とその役割]

2008-09-19

 政情不安が続く今の日本ですが、今回は日本税理士政治連盟について述べたいと思います。
 税理士は、税理士法第49条の11において、(建議権)という権利が付与されています。
条文を引用しますと、(建議権)とは、「務行政その他租税又は税理士に関する制度について、権限のある官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。」です。
 その権利に基づいて、税理士会正確には日本税理士会連合会は、毎年秋口に税理士の意見を集約した建議書を国税庁長官に手渡し、税法、税理士法を中心に様々な意見を答申しています。
 そしてそのいくつかについては、我々税理士の意見が法律制定にも反映されていると聞いています。
 このように、税理士は法の番人として、租税法律主義に基づいて、制定された法律の円滑な執行を図る立場のみならず、あるべき法律、法律のあり方について国税庁に具申することにより、よりよい法律の制定に参画する、いわば立法権的な権利も認められています。
 これは税理士にとっては非常に重要な権利ですが、実態として我々税理士の主張といいますか、意見がどの程度法律に反映されているかと言えば、その実効性は高いとは言えないのが実情です。
 やはり法律そのものは国もっと言えば官僚が原案を作成し、国会議員がその原案を審議し、国会という立法府で決議し、制定され施行されるという流れになっています。
 建議書に書かれている我々税理士の意見は、あくまでも参考意見として尊重はされるでしょうが、そのまま採用されるかどうかは定かではありません。
 しかし片や税理士の立場とすれば、中小企業、商店の経営者や地主の方々など納税者の一番身近にいる立場の人間として、もっと我々の意見が法律制定にあたって反映されてしかるべきである、という自負があります。
 従って我々税理士としては、当然我々の持つ建議権を最大限に生かして、その実効性をより高めたいと考えるのは当然のことです。
 こうして税理士の持つ建議権を補足、補完するものとして、税理士会は別に税理士政治連盟という組織を結成させました。
 時に昭和38年10月17日でした。その当時は、全国納税者政治連盟という名称でしたが、昭和43年に日本税理士会連合会との関係を明確にするため、日本税理士政治連盟に名称変更し、現在に至っています。