税政連の活動とその役割 その8 [税政連の活動とその役割]
2008-09-26
日税連としては、建議書という形で撤廃を求める文書を国税庁に手渡しました。
一方税政連は、支持、後援している国会議員への説明文書を携えて、議員会館を回り、特殊支配同族会社の損金不算入制度の法律の不当性を強く訴えました。
その成果が実ったのでしょう。
国税庁は翌年、損金不算入となる法人の利益+会社社長の役員報酬の合計額を、800万円から、その倍の1600万円に引き上げました。
平成18年4月1日に新法が施行されてからわずか1年での見直しというのは、聞いたことがありません。その位この法律は適用対象法人が多く、社会的影響力が強いということを物語るものです。
しかし、この法律は適用対象金額を引き上げて、適用法人を減らせばよいという単純なものではありません。
確かに個人企業と同視される中小、零細法人の大部分は同族経営であり、そうした同族会社の役員に対する報酬は、いわゆる一般で言うところのサラリ?マンとは性質が大分違うことは事実です。
税務当局とすれば、交際費をはじめ様々な経費を会社の経費で落とせる同族会社の役員が、一般のサラリ?マンと同様に給与所得控除(いわゆるサラリ?マンの必要経費で、所得に応じて経費率が定められています)をとることは、経費に二重取りであり、極端に言えば給与所得控除相当額は″架空経費″であるという認識が強くあったと考えられます。
そしてその上で、その″架空経費″を排除するために、この法人税法35条の導入に踏み切ったと考えられます。
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