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税理士会会務について考える その3 [税理士会会務について]

2008-10-25

 特に国税庁から、確定申告期の無料申告相談業務を外部委託することについて、国税庁と税理士会との見解が大きく分かれているようです。

 国側は一言でいえば、行政支援の一環として、繁忙期である確定申告期に、税理士に税務署の署員の業務の一部を代行して欲しいと思っています。
 まして最前線の税務署の職員からは、行政改革の影響で職員が増えない一方で、医療費還付申告、住宅ロ?ン控除による還付申告、老年者の増加による年金受給者の確定申告など申告件数が伸びているので、どこの税務署も手一杯であるという声は、税務署の幹部の方との意見交換会でもよく耳にします。

 一方税理士は、税理士法第2条及び同法第52条により、税理士業務は税理士のみの独占業務とされていますから、税務署から外部委託を受ける確定申告業務も当然税理士が受けて処理することになります。

 従来から国から税理士会が受託され、確定申告無料相談業務を実施してきましたが、防衛省や社会保険庁で問題となった、特定の業者への随意契約の是非の煽りをうけ、公募方式による入札方式を採ることとなってから、受託側である税理士会でのスタンスが難しくなってきました。

 公募方式による入札では、国税庁から仕様書が提示されますが、この仕様書を読むと、国側から税理士会への委託については、委任ではなく、請負契約となっています。
 また請負であることが故に損害賠償責任についても規定しています。

 税理士会が応札し落札した場合、会自体が受託業務について損害賠償責任を負わなければならないことになり、そうすると今までのような行政支援と同じようなスタンスで、業務を受託するわけにはいかない、というのが税理士会の考え方です。

 この辺の経緯は、東京地方税理士界の会報でも詳細に述べられています。