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税理士会会務について考える その4 [税理士会会務について]

2008-10-26

 これを見聞きして私が思うことは、国側はもっと税理士会の事情に配慮して欲しいということです。

 個々人である税理士は、それぞれのお客様との委任契約により依頼を受けた業務を代理、代行します。そして当然仕事に欠陥があった場合には損害賠償責任を免れません。
 しかし税理士会として受託することとなりますと、仕事に欠陥があった場合、その責任を会に負わせるのか、それともミスをした個人に負わせるかということになりますが、どちらも難しいと思います。

 会に負わせるとした場合は会の構成員全員の連帯責任ということになるでしょうし、特定の個人に負わせるとしたら、誰も相談業務に参加してくれる会員はいなくなるでしょう。
 個人個人であれば、自己責任の原則に基づいて各税理士が仕事を受託するか否かを決めれば良いのですが、会全体として受託するとなると上記のような問題が生じてきます。

 勿論我々税理士はわざと仕事でミスをしようなどと思って相談業務に携わる会員は一人もいませんが、それでも短時間に大量の確定申告書の作成のお手伝いをすることとなれば、資料が不足していても十分に資料収集できない可能性もあります。
 完璧な確定申告書を作成するには、会場型の申告相談業務ではどうしても限界があるのです。

 その辺の事情は、税務署の職員の方々は十分に理解されていると思いますが、国税庁から出されてきた仕様書では、仕事の外部委託なのだから受託先で責任を負うのは当然という、机上の論理のみを押しつけているので、税理士会としても大いに戸惑いを隠せないのです。