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税理士会会務について考える その7 [税理士会会務について]

2008-10-29

 何度も繰り返し述べていてくどいようですが、どうも国税庁側の税理士に対する言動を見ていると、悪い見方をすれば、我々税理士を税務行政を遂行する上での単なる下請け機関としか考えていないのではないか、と思ってしまいます。

 税理士は弁護士と違って組織自体に自治権を有しておらず、監督官庁は財務省ですから、その指揮監督下に置かれていることは間違いありません。

 しかし我々税理士会は我々の憲法である税理士法第一条において、独立した公正な立場において、納税義務者の納税義務の適正な実現を図ることを規定されています。

 このうち「公正な立場」というのは、税務署にも納税者にも偏ることなく、法に照らして公正な判断をしなさい、という意味に受け取れます。

 一方、「独立した」という文言をどう解釈するか?
 公正であるためには、どちらの側にも偏らない立場でいる必要があり、そうなると両者から一歩離れた立場から、まさに独立した位置から、法に照らして判断するという、高所に立った物の見方を要求される。

 そう考えるとこの「独立」というのは、両当事者から「独立」した立場にいなさい、というふうに読めるわけです。
 そんな考え方を推し進めるならば、税理士会が税務当局の下請け機関であることは、税務当局から独立しているとは言えず、税理士法第一条に違反していることになります。

 一方、税理士は同じく税理士法第一条において、「申告納税義務の理念に沿って....納税義務の適正な実現を図る」と規定しており、その点ではまさに税務署の立場と一致するものです。

 ですから両者が目的を同じくする以上、相協力して税務行政にあたるのは大いに結構だと思います。
 しかし何度も言いますが、我々税理士会は、一人一人が独立した個人事業主の集合体であります。
 決して国税当局の下請けではなく、国税当局からも納税者からも「独立した」立場にあるのです。

 その辺の事情を十分に踏まえた上で、両者が一致協力して円滑な税務行政を推進するように心がけてほしいと切に希望しております。
 前回と同じ結びになってしまい、くどい事は分かっていますが、再度書いてしまいました。