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贈与のすすめ?名義預金とされない賢い贈与 その2 [贈与のすすめ]

2011-05-04

 そういうことで、お金を回していかないと経済の活性化につながらないことは、今や世間の常識ですし、
先人も「金は天下の回りもの」と言っていました。
 また今は東北地方大震災が1カ月半ほど前にあって、日本全体が復興に向けた第一歩を踏み出して
いる時期でもあり、このゴ?ルデンウィ?クは余震が大分収まりつつあることもあって、行楽地には多くの
人出が戻ってきているようです。

 この震災は大変不幸な出来事ではありましたが、多くの教訓を残してくれました。
原子力発電の危険性
国、地方公共団体から民間、国民一人一人に至るまで、防災意識や有事に備えた危機管理意識、体制の欠如
経済のグロ?バル化、東北地方で起きた大震災が原因での生産ラインのストップによる影響が日本のみならず
世界経済にまで影響を及ぼしている現実
そして人の温かさ
「絆」に象徴されるように、日本人全体が困窮している東北地方の方々を何とか救おうとしている。
これを見ていると平時には見られない結束力、連帯感を感じます。
いざというときは、日本人はしっかりまとまるんだなあ、しかも治安が乱れることなく。

 いささか感傷的になってしまいました。
さていよいよ本論に入りたいと思います。

 そもそも「贈与」とは何か?
そんな当たり前の質問をしないで下さいよ、という返事が返ってきそうですが、この「贈与」の基本を押さえて
おくことが何よりも大切です。

「贈与」とは、あげる側の人(贈与者)が、あげるという意思表示をし、もらう側の人(受贈者)がそれに対して
その贈与を受けます、つまりもらいますという意思表示をすることによって成立する契約です。

つまり、「あげましょう」という意思表示に対して、「もらいましょう」という意思表示をすることによって成立するのです。

何だ当たり前じゃないか、とおっしゃる方。
それではお尋ねしますが、親が子供に内緒で子供の名前でしている預金があるとして、この預金は贈与した
ことになりますか?
この問いに対して、多くの方はこう答えます。
当たり前じゃないか。子供の名前の預金だから、子供の財産になる。つまり子供に贈与したお金だ、と。

でも考えてみてください。贈与の要件は、もらう側がもらいましょうという意思表示をすることが必要でしたね?
子供に内緒でした預金の存在は、子供が知っているのですか?
知らないとするならば、知らないものに対してもらいましょうと言えるはずがありませんから、贈与は成立して
いませんよね。