事務所通信
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農家、農業のあり方について その3 [農業について考える]

2008-06-16

 農業政策については、人間の一番根幹の欲である食欲に関する根本的な問題であり、それこそ国策ですから、国が国内農業の育成、保護を含めた立て直しに深く関わるのは当然のことです。
 従って市場を全面的に開放し、単に市場原理に任せっきりにする訳にはまいりません。
 勿論車、家電、鉄鋼など主力輸出産業についても、国策として国内企業の育成、保護を図る必要はありますが、食糧の問題はその重要度が違います。
 このところトウモロコシなどのバイオ燃料への転換やマグロ、エビなどの中国を始めとする消費拡大に伴う価格の高騰。あるいは中国野菜の残留農薬問題に端を発した食の安全性の問題など、食の質及び量に対する不安感が大いに高まっています。
 それがキッカケになり、俄かに国内農業の立て直しの機運が盛り上がってきました。
現金なものです。今まで海外からの食糧の輸入により農産物、海産物のより安価での購入ばかりに関心があったのに、海外からの輸入が諸原因で怪しくなると途端に国内農業の振興を言い出す。国内農業は市場原理の狭間で、輸入 商品に対抗しきれず一部ブランド化に成功した農産物を除けば、それこそ青息吐息だというのに。
 国策として、そういう有事に備えて国内農業を十分に育成してこなかったツケが一挙に出て今頃になって慌てている。
 農産物、海産物は資本主義経済が高度に発達し、世界がグロ?バル化している現代では、金さえあればいつでも輸入できると思って、今まで農業について軽視してきたツケにようやく気がついた訳で、これが本気で国内農業を立て直す契機になれば良いと切望しています。