事務所通信
税務情報だけでなく、他士業の先生方からも有益な情報を頂戴し、
法律・労務人事・不動産・社会保険など幅広い情報をタイムリーに発信しています。
事務所通信 > 農家、農業のあり方について その8 [農業について考える]

農家、農業のあり方について その8 [農業について考える]

2008-06-21

 農業政策については日本米の減反政策が有名ですが、確か小麦、大豆、野菜、果実、乳製品など国内の価格維持のための政策は殆どとられていないように記憶していますので、基本的に全ての農産物が海外からの輸入商品と価格及び品質の競争をしていかなければなりません。
 政府が市場に何ら介入せず自由競争に任せることは、消費者にとってはより品質の高い物がより安価で手に入るということになりますので、大いに喜ばしいことではあります。
 しかし近年、食の安全性が声高に叫ばれるようになってきました。
 中国野菜、米国牛などを始めとする諸外国からの輸入食糧の中に、健康を脅かす農薬を大量散布した野菜や病気を持った家畜の肉が混入する恐れがあるなど、市場原理に任せているとより安価、より大量生産を求めるあまり、人体に大いに悪影響のある農産物が次々と生産される心配がありますが、それが現実となってきたのです。
 鳥インフルエンザについては、近い将来パンデミック現象が確実に起き、鳥対人から人対人に感染するインフルエンザに変異すると言われています。
 遺伝子を組み替えたり、大量消費のための大量生産に走ったツケがいよいよ我々人間を襲おうとしています。
 まさに神の怒りというべきか、遺伝子レベルまで人間が入り込んだその報いなのでしょうか。
犯すべからざる神の領域に踏み込んだ報いなのでしょうか。
 しかしことここに至っては、食の安全性とより真剣に向き合っていかなければならない時代に来ていることは間違いありません。
 いつ何時諸外国から穀物、野菜、果実、肉類、魚介類、乳製品が輸入できなくなるか分かりません。それは諸外国の農産物の安全性に問題があるからという理由もあるでしょうし、今まで輸出をしていた諸外国が、自国で消費するようになったため輸出を取りやめたという理由もあるでしょう。特に食に対する不安が世界的に広がれば、世界中の国々がまず自分たちの国民への食糧確保に当然走りますから、急に明日から輸入がストップされ、パタッと農産物が入ってこない危険性がかなりあると思います。
 戦国の世の中でも一番利くのが兵糧攻めでした。貨幣経済なんて脆いもので、食糧難、飢饉になれば、一切れのパンの前には、一万円札もただの紙っぺらになってしまうのです。
 お金があれば何でも解決できる、という拝金主義が今の日本には蔓延しているのが怖いのです。
 私は、昭和31年の生まれで、生まれてこのかた食糧で苦労した経験は全くない恵まれた生活を今まで送ってきました。(ゴメンナサイ)
 戦前生まれの方々は、食糧の有難味を骨の髄まで知っていらっしゃると思います。
 そういう方々が今声を大にして、食糧危機の悲惨な状況を語っていただきたい。
 そうでないと、平和ボケしている現代日本人は、ミャンマ?や中国四川省で起きている食糧飢餓についても、対岸の火事と思っていて現実感がないのんびり屋ばかりなのですから。勿論私も含めて。
 危機管理と言いますが、政府は有事に備えた食糧政策を打ち出し、少しでも早く実行していくべき時期に来ていると思うのです。食糧ではありませんが昭和49年当時のトイレットペ?パ?買い占め騒動でもあったように、国民全体が社会不安に煽られるのが一番怖いので、国民に安心感を与える施策を一日でも早く実行して欲しいと切望しています。