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平成23年相続税改正について その2 [相続税の大改正について]

2011-01-11

 相続税の基礎控除額の引き下げは、もう随分前から検討されてきた改正項目です。

イ.昭和62年以前は、    基礎控除額が2000万円+法定相続人1人につき400万円
ロ.昭和63年?平成3年までの相続では、4000万円+法定相続人1人につき800万円
ハ.平成4年?5年までの相続では、    4800万円+法定相続人1人につき950万円
ニ.平成6年以降の相続では、    現行の5000万円+法定相続人1人につき1000万円

というように地価の上昇に伴い、順次引き上げられてきました。

近年は、バブル崩壊後10数年が経ち、地価水準も昭和55年当時まで下落してきたので、
それに合わせて基礎控除額の見直しを行った、というのが財務省の見解のようです。

 確かに相続税の申告割合は、4,1?4.2%程度でずっと推移しています。
日本人が1年間に亡くなる方の数は、近年は100?110万人程度ですから、
相続税の申告件数は、43000件?48000件の間位で推移しています。
相続税の税収も、1.3?1.5兆円程度で、日本国の税収を約40兆円としても、わずか全体の税収の
4%程度という低さです。

これでは、税収の引き上げ、そしてごく一部の富裕層にしか課税されていない相続税の底辺拡大を
考えるのも無理からぬことかもしれません。
(もっとも、私自身はそもそも相続税の課税自体に疑問を持っている一人ですが...。)