事務所通信
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広大地に関する考察 その1 [広大地についての考察]

2008-09-03

 相続税の評価は何度やっても良くわかりませんね。やればやるほど疑問が湧いてきて。
 特に分からないのが、広大地の適否です。
 広大地について評価を減額する根拠は、利用上のロスつまり潰れ地が生ずるからです。
 そもそも広大地とは、周りの宅地の標準的使用面積に比べて著しく広大な土地を言います。
 ですから、広大地を利用しやすいように、標準的使用面積になるように、いくつかに区画割りをする必要が出てきます。
 ただ土地は羊羹のようにスパッ、スパッと切れば良いといったものではなく、必ず建築基準法上の道路に2メートル以上接していなければなりません。何故なら区画割りされた土地の中に、道路に接していない土地があれば、その土地は無道路地あるいは接道義務を十分に果たしていない土地として、建物が建てられない土地になってしまうからです。
 土地(ここでいう土地は宅地のことを意味します)は、建物が建てられて初めて価値がある、市場価値が出てくるのでして、建物が建てられなければ意味がない、市場価値のない土地となってしまいます。
 従ってどうしても奥行きのある土地の中の、奥が深い土地には新設道路、つまり位置指定道路といって開発業者が自費で道路を新設し、これを建築基準法上の道路と認めてもらうことによって、接道義務を果たす必要が出てくるわけです。
 ここで問題になるのが2つあります。
 一つは、広大地であっても、用途地域の指定で容積率が200%以上であるような土地、つまり高度利用が可能な土地は、土地を周辺の標準的面積に区切のたうえで戸建用地として分譲するよりも、マンションを建てるのにより適した土地ではないか、という選択肢で出てきます。
 広大な土地にマンションを建てれば、潰れ地、つまり新設道路の開設の必要はありませんから、土地をまるまる利用することができ、土地のより有効利用が可能となります。(尤もマンションを建てようとする場合には、ゴミ集積所の設置をそのマンション用地の中で求められるほか、マンションの規模によっては公園の設置及び提供を求められることもあり、100%広大地をマンション用地として利用できるわけではありませんが。)
 もう一つはその広大地がマンション用地よりも戸建利用により適した用地であったとしても、その広大地に前述した位置指定道路を入れるのではなく、旗竿地として区画割りすることができるのではないか、という疑問です。
旗竿地の奥まった宅地において接道義務を果たすべく、道路に対して最低2メートルの間口つまり開口部をとり、その最低幅2メ?トルの細い路地を通って自宅の玄関にたどり着くという敷地で、旗竿地を別名路地状敷地と呼んでいます。